子どもと使う図鑑を選ぶときは、対象年齢に加えて、いま何に興味を持っているかを手がかりにしてみてください。植物、鳥、昆虫と気になる分野が決まっているなら、その分野の写真や図を大きく見られる一冊が、調べたいときに開く本になります。

もう一つ大切なのは、名前を知らないものを探せるかどうかです。写真が見やすくても、目的のページにたどり着けなければ使いにくいもの。子どもが自分で探せるところと、大人の手助けがあれば使えるところを、購入前に一緒に見ておきましょう。

公園のベンチで子どもが自然を指し、大人と一緒に携帯図鑑を開く場面
使用シーン例:見つけたものを指さし、写真と見比べる親子の時間。

知っている生きものを、自分で探してみる

図書館で自然図鑑の写真から調べる子ども
使用例:子どもが写真から自分で探せる図鑑。

書店や図書館で本を試せるなら、子どもが知っている生きものを一つ決めて、ページを探してもらいましょう。見つからなくても、どこで迷ったかが分かれば、どんな索引や並び方なら使えそうかを考えられます。

読みやすさは文字の大きさだけでは決まりません。色や季節、見つけた場所などを手がかりに、名前が分からない状態から候補へたどり着けるかも大事です。

見るところ子どもと本を開いて確かめたいこと
関心のある分野植物、鳥、昆虫など、今よく話題にするものが多いか
写真と図見つけた姿に近い写真があり、図でも特徴を比べられるか
探し方色、季節、環境、大きさ、仲間から探せるか
文字一ページの文章量と、ふりがなの付き方が合うか
本の形子どもが持てる重さで、目的のページを開いておけるか
大人の手助け索引の読み方や難しい言葉を短く補えば使えるか

全部を一人で読めることだけにこだわらず、写真から似た姿を探し、大人が索引や難しい言葉を補う使い方も考えてみてください。

外で使う本と、家で詳しく読む本は分けてもよい

小さな携帯図鑑と大きな自然図鑑を並べた様子
イメージ例:外で使う小型図鑑と家で開く大きな図鑑。

外へ持ち出す図鑑なら、片手で持てる大きさと、少ない手順で候補を探せることを重視したいところです。大きな写真や図を広く見渡して、似た種類や体のつくりを詳しく比べたいなら、家で開く大きな図鑑が役立ちます。

一冊に両方の役割を求めなくてもかまいません。現地では携帯図鑑で候補を探し、帰宅後に大きな図鑑や、博物館・出版社の公式ページで調べる使い分けもできます。

持ち歩く日は、図鑑だけでなく、飲み物や雨具を合わせた荷物の重さを見てください。子どもだけに持たせず、重さに応じて大人のバッグへ移しましょう。

昆虫、草花、鳥への関心に合わせた三冊

植物、鳥、昆虫を表す三冊の子ども向け自然図鑑
イメージ例:植物、鳥、昆虫という関心別の三冊。

虫の姿を写真と見比べたいなら

『学研の図鑑LIVEポケット 昆虫 新版』は、生きた状態で撮影した昆虫を1,100種以上収録する、B6変型の携帯図鑑です。似た昆虫を見比べるページがあり、写真から候補を探して、違いを一緒に見たい親子の選択肢になります。

裏表紙には大きさを確かめる方眼もあります。成虫だけでなく、幼虫やさなぎを詳しく調べたい場合は、その範囲をどこまで扱っているか、目次で見てから選んでください。

道ばたの草花を調べたいなら

『小学館の図鑑 NEO POCKET 植物』は、季節や植物の仲間から写真をたどれる携帯図鑑です。身近な草花をよく見るなら、現地で候補を探し、帰宅後に地域の植物図鑑と見比べる使い方ができます。

写真から候補を探すだけでなく、専門的な検索表を使って調べたくなったら、別の図鑑を足しましょう。植物図鑑を詳しく比べたい場合は、自然観察に持っていく植物図鑑の選び方で、掲載範囲と探し方を確認できます。

身近な鳥の形や動きが気になるなら

『野鳥手帳 第2版 「あの鳥なに?」がわかります!』は、身近な野鳥244種を写真とイラストで比べられる携帯図鑑です。大きさ、見られる場所、季節から候補を探せるため、名前が分からなくても、見えた特徴を手がかりに調べられます。

遠くの鳥へは近づかず、まず形や動きを記録してからページを開いてください。見えなかった特徴まで確かめたことにせず、候補が残るときは親子で次に見たいところを考えましょう。

大人は名前を教える前に、見えた特徴を一緒に言葉にする

葉の形を図鑑で一緒に比べる子どもと大人
使用例:答えを教える前に形を一緒に比べる大人。

子どもが名前を知りたがったら、色、いた場所、大きさを順に聞いてみてください。「何色だった」「どこにいた」「どれくらいの大きさだった」と見えたことを言葉にすると、索引で探す手がかりになります。

候補が二つ残っても、無理に一つに決める必要はありません。コクヨ 測量野帳 SKETCH BOOK セ-Y3のような小さな方眼ノートに、子どもの言葉や簡単な絵をそのまま残しておけます。

文字を書くことが負担なら、大人が聞き取って書き、子どもは色や形を描く方法もあります。誰が正しい名前を言えるかより、見えた特徴を図鑑と比べることを大切にしましょう。

親子で試す10分の使い方

図鑑を開いて何から始めるか迷ったら、見る人と記録する人を分けて、次の流れを試してみてください。

  1. 最初の2分は、子どもが対象を見て、大人が足元と周囲の安全を確認する。
  2. 次の3分は、一人が図鑑を持ち、もう一人が色、形、大きさ、いた環境を伝える。
  3. 次の3分は、候補を二つまで探し、ノートへ簡単な絵か言葉を一つ残す。
  4. 最後の2分は、名前を無理に決めず、「次に見たい特徴」を一つ書いて道具を片付ける。

次の観察では、図鑑を持つ人と記録する人を入れ替えてみましょう。この観察のために、生きものや植物を採ったり、動かしたりはしません。

図鑑を見る場所と、生きものとの距離を守る

管理された園路のベンチで図鑑を読む子どもと大人
使用例:園路を外れずベンチで図鑑を開く親子。

写真と同じ特徴があるかを確かめるためでも、生きものへ近づきすぎたり、草むらへ入ったりしないでください。園路や広い場所から見える範囲で観察し、幼い子どもには大人が付き添います。

昆虫、卵、巣、植物は持ち帰らず、見やすくするために枝や葉を動かすことも避けましょう。危険な生きものか分からないときは距離を取り、施設スタッフや案内板を頼ってください。

見つけた場所を共有する場合も、希少な生きものの詳しい位置は載せないでください。

買う前に、親子で使えそうな一冊かを確かめる

図書館で図鑑の重さと見やすさを一緒に確かめる親子
イメージ例:重さ、写真、探しやすさを確かめる親子。

最後に、興味のあるものが載っているか、知っているものを自分で探せるかを子どもと試してみましょう。写真と図の大きさ、索引の入口と並び方、ふりがな、一ページの文字量を見ながら、大人がどこを手伝えば使えそうかも考えます。

持ち歩く本では、判型、ページ数、重さも大事です。購入する本の発売日、版、ISBNを照合し、価格、在庫、送料、キャンペーンは販売ページの最新の内容を確認してください。

まず選びたいのは、子どもがいま気になっているものを、一緒に探せる本です。外で候補を見つけたいのか、家で大きな図を広げて詳しく読みたいのかまで決めておくと、一冊に求める役割がはっきりします。