鳥を見つけたら、図鑑を開く前に、まず姿と動きを見てみましょう。肉眼で位置を捉え、双眼鏡で大きさや形を見て、分かった特徴を短く書き留めます。
そのメモと携帯用の野鳥図鑑を見比べるのが、名前を調べる手掛かりになります。その場で一種に決められなくても大丈夫です。何が見え、何が分からなかったのかを残せば、次の観察で見るところも決まります。
出かける前に、双眼鏡を合わせて図鑑を開いておく
双眼鏡は明るい場所で目幅、ピント、視度を合わせておきます。眼鏡をかけたまま使う人は、目当ての位置も確かめてください。
図鑑も一度開き、索引や大きさから鳥を探すページを見ておきましょう。どこから調べ始めるかが分かっていると、現地でも候補を探しやすくなります。
ノートと筆記具は片手で取り出せる場所へ。スマートフォンに記録するなら、画面を見る前に安全に立ち止まれる場所を選び、歩きながら入力しないようにします。
まず肉眼で、鳥と周りの目印を見る
鳥を見つけても、すぐに双眼鏡をのぞくと、狭い視野の中で同じ場所を探すことになります。まず肉眼で鳥の位置を捉え、近くの枝や幹、建物などを目印にしましょう。
飛んでいる鳥なら、進む方向と高さを見ながら目で追います。双眼鏡で太陽を直接見ることは絶対に避けてください。
双眼鏡では、形と動きを一つか二つ捉える
鳥から目を離さずに、双眼鏡を目元へ上げます。最初は色を覚えようとするより、大きさや全体の形、くちばし、尾、脚の長さに目を向けてみてください。
続いて、地面を歩いているのか、枝を移っているのか、水面に浮いているのかといった動きを見ます。一度に全部を覚えようとせず、一つか二つ特徴を捉えたら双眼鏡を下ろし、メモに残しましょう。
名前より先に、見えたことをメモする
メモは短い言葉で構いません。次の項目から、実際に見えたことや聞こえたことだけを選んで書きます。
- スズメより小さい、同じくらい、大きい
- くちばしが細い、太い、長い
- 尾が短い、長い、二つに分かれて見える
- 白い部分や目立つ模様があった場所
- 地面、枝、水面など、鳥がいた環境
- 鳴き声と動き
写真が撮れなくても、こうした記録から図鑑で候補を探せます。見えなかった部分は想像で書き足さず、分からないまま残してください。
図鑑では、似た鳥を二種以上見比べる
図鑑を開くのは、鳥を追いながらではなく、安全に立ち止まれる場所に着いてから。メモした大きさや形、鳥がいた環境を手掛かりに、当てはまりそうなページを探します。
似た鳥が見つかっても、最初の一種で決めず、二種以上の候補を見比べましょう。写真では姿勢や光によってどう見えるかを、イラストでは模様や体の形を比べられます。
分布や見られる季節も参考になります。ただし、その地域や時期にいるという理由だけでは種類を決められません。自分が見た特徴と合っているかを、メモに戻って考えてみてください。
分からなかった特徴も、そのまま残しておく
模様が見えなかった、鳴き声を聞けなかった、遠くてよく分からなかった。こうした点も記録の一部です。図鑑を読んでから記憶を補おうとすると、実際には見ていない特徴まで見たように感じることがあります。
名前が分からなければ、「小型の鳥」「水面にいた鳥」という記録でも残しましょう。次にどこを見ればよいかを考える手掛かりになります。
見分けたいときも、鳥との距離は保つ
特徴が見えないときも、鳥に近づいたり追い回したりせず、見えた範囲の記録にとどめます。巣やひなからは離れ、鳴き声を再生して呼び寄せることや、餌を与えることも避けてください。
私有地や立入禁止の場所には入らず、公園や施設の案内に従いましょう。珍しい鳥や繁殖中の鳥を見つけても、詳しい場所は公開しません。
帰宅後に、次の観察で見るところを決める
帰宅したら、日付、時間、天候、見た環境を記録に加えます。候補が複数残った鳥については、何が見えていれば見分けられたのかも書いておきましょう。次の観察では、その特徴に先に目を向けられます。
名前まで分からなかった記録も、消さずに残してください。同じ場所や季節を見直すときに、前に見えたことと今回分かったことを比べる材料になります。