メガネをかけたまま双眼鏡を使いたいときは、視野の端まで見えるか、黒い影が出にくいかを試して選びましょう。接眼レンズと目の距離が合わないと、せっかくの広い視野も十分に見渡せません。

候補を絞る手がかりは「アイレリーフ」という仕様です。ただし、数値だけではメガネとの相性までは分からないため、目当てを収納し、普段のメガネで無理なくのぞけるかまで確かめておくと選びやすくなります。

メガネをかけた人が公園の園路で立ち止まり、双眼鏡を目元へ当てて木立を見る様子
使用シーン例:目当てを収納し、メガネに強く押し当てずに木立を見る。

アイレリーフは、目を離して見られる距離の目安

メガネのレンズと双眼鏡の接眼部の間隔を横から見た様子
イメージ例:メガネをかけると、目と接眼レンズの間に距離ができる。

アイレリーフは、接眼レンズから目を離しても視野全体を見られる距離の目安です。メガネをかけると、レンズやフレームの分だけ目が双眼鏡から離れます。アイレリーフが短い機種では、その位置から視野の外側まで見渡せず、端が欠けることがあります。

一方、同じ数値でも、メガネのレンズ位置やフレームの形、顔立ち、目当ての形によって見え方は変わります。アイレリーフを比べて候補を選んだら、次は目当てと目幅を自分に合わせて試してみましょう。

目当てを収納して、メガネ越しにのぞく

双眼鏡の目当てを指で低く調整する様子
イメージ例:メガネで使うときは、目当てを低くする。

目当ては、裸眼でのぞくときに目の位置を安定させる部品です。メガネをかけたまま使うときは、繰り出し式なら収納し、折り返し式なら折り返して低くします。出したままでは目が接眼レンズから離れすぎて、見える範囲が狭くなりかねません。

目当てを収納したら、メガネに軽く位置を合わせてのぞきます。強く押し当てるとフレームがずれたり、レンズに傷が付いたりするため、押し付けて視野を広げようとしないでください。

目幅を合わせてから、ピントと視度を調整する

双眼鏡の左右の筒を動かして目幅を合わせる人
イメージ例:本体を開閉し、左右の視野が一つの円になる位置を探す。

左右の接眼レンズの間隔を、自分の目の幅に合わせます。本体を開閉しながらのぞき、左右の像が重なって一つの円になる位置を探してください。片側が暗い、二つの円が重ならないというときは、目幅が合っていない可能性があります。

一つの円に見えたら、説明書の順序に従って中央のピントリングと視度調整リングを操作します。視度調整は、左右の視力差に合わせるための調整です。

現地で使う前も、目当てを収納し、目幅を合わせ、中央のピント、左右の視度の順に合わせます。家族で共用するときは、使う人が替わるたびに目幅と視度を合わせ直しましょう。

売り場では、普段のメガネで五つの点を試す

メガネをかけたまま売り場で双眼鏡の見え方を試す人
イメージ例:普段のメガネをかけたまま、売り場で見え方を試す。

試用できる売り場では、観察に使う普段のメガネをかけてのぞきます。視野が広く見えるかだけでなく、その見え方を楽に保てるかも比べてみてください。

  1. 目当てを、メガネで使うときの収納位置にする。
  2. 左右の像が一つの円になるように目幅を合わせる。
  3. 太陽や住宅の窓を避け、動かない安全な対象にピントを合わせる。
  4. 視野の端が大きく欠けず、黒い影が出にくい位置を探す。
  5. メガネに強く押し当てなくても、その位置を保てるか試す。

顔を少し動かすたびに視野が暗くなるなら、目と接眼レンズの位置が安定していません。数分の試用でも、鼻や耳への負担、フレームのずれ、ピントリングへの指の届き方まで見ておきましょう。

アイレリーフ15mmの二つの機種を比べる

二つの双眼鏡の接眼部と目の位置までの間隔を並べた比較
イメージ例:二つの接眼部で、アイレリーフを比べる。

Vixen アトレックII HR8×32WPとVixen アトレックII HR10×32WPは、どちらもアイレリーフが15mmで、目当てを収納してメガネ使用時の位置に調整できます。

仕様HR8×32WPHR10×32WP
アイレリーフ15mm15mm
実視界7.5度6.0度
重さ390g390g
至近距離約1.2m約1.2m

アイレリーフと重さは同じですが、見える範囲と対象の大きさには違いがあります。8倍は視野が広く、10倍は同じ距離の対象を大きく見られます。まずメガネをかけて無理なく使えるかを試し、そのうえで観察したい対象に合わせて倍率を選ぶとよいでしょう。

倍率でも迷っている方は、自然観察の双眼鏡は8倍と10倍のどちらを選ぶかで、明るさ、手ぶれ、近距離での見え方も比べられます。

メガネと接眼部の形は、仕様表だけでは分からない

形の異なる二つのメガネで双眼鏡の接眼部の収まり方を比べる様子
イメージ例:メガネの形や顔立ちによって、接眼部の収まり方は変わる。

アイレリーフが同じでも、接眼部の太さや目当ての形は機種によって異なります。メガネのレンズが目から離れていれば、仕様上のアイレリーフが長くても視野全体を見にくいことがあります。逆に、顔と接眼部の形が合えば、同じ数値でも無理なく見渡せます。

通販で購入するなら、返品や交換の条件を先に読んでおきましょう。実店舗や展示会で同じ機種を試せるかも調べておくと、仕様表では分からない相性を確かめられます。

黒い影が出たら、目の位置と目幅から見直す

双眼鏡の視野の端に黒い影が出た状態と目の位置を直す手
イメージ例:目の位置がずれると、視野に黒い影が出ることがある。

観察の途中で黒い影が動くときは、目が接眼レンズの中心からずれている可能性があります。ピントリングだけを回しても、目の位置や目幅のずれは直せません。

いったん双眼鏡を下ろし、目当てが収納位置にあるかを見ます。顔に押し付けず、目当てとメガネの間隔を少し変えてから、左右の円が重なるように目幅を合わせ直してください。一つの円に戻ったところで、中央のピントと視度を合わせます。

それでも見にくければ、目当ての形が異なる機種や、アイレリーフにより余裕のある機種も試してみましょう。

立ち止まって使い、太陽には向けない

公園の園路で立ち止まってから双眼鏡を使う人
イメージ例:通行を妨げない平らな場所で立ち止まってからのぞく。

双眼鏡で太陽を見てはいけません。 目に重大な障害が生じるおそれがあります。

使うときは歩きながらのぞかず、通行を妨げない平らな場所で立ち止まってください。住宅の窓や庭には向けず、野鳥や巣にも近づきすぎないようにしましょう。

購入を決める前に

双眼鏡とメガネとストラップとケースを並べた購入前の確認
イメージ例:見え方に加え、本体と付属品も購入前に確かめる。

候補が決まったら、自分のメガネでの見え方と、購入する商品の仕様を照らし合わせておきましょう。

  • メガネをかけたまま、視野全体を見られるか
  • アイレリーフはどのくらいあるか
  • 目当てを収納したとき、どのような形になるか
  • 自分の目幅に無理なく合わせられるか
  • 黒い影が出にくい位置を保てるか
  • メガネに強く押し当てずに使えるか
  • 倍率、視野、重さ、防水性が用途に合っているか
  • 商品名、JANコード、付属品が、選んだ商品と一致しているか

選ぶときの決め手は、アイレリーフの数値に加えて、目当てを収納した状態で無理なく視野を見渡せることです。普段のメガネで試し、見え方を保ちやすい一台を選んでください。