園路から見つけた虫の名前を知りたい。でも、触れたり捕まえたりはしたくない。そんな観察では、見えた特徴から候補を探せる図鑑が役立ちます。

成虫の写真が豊富かどうかに加えて、幼虫やさなぎ、抜け殻をどこまで扱っているかも選ぶ手がかりです。名前が分からなくても、大きさ、体の形、季節、見つけた環境からページを探せれば、短い観察メモを調べものにつなげられます。

『学研の図鑑LIVEポケット 昆虫 新版』は、生きた姿の写真や似た昆虫の見分け方を使って調べたい人の候補になります。どんな観察に使えるかと、一冊では調べきれない範囲を見ていきましょう。

公園の園路から木にいる昆虫を携帯図鑑で調べ、ベンチにルーペとノートを置く人
使用シーン例:昆虫に触れず、見えた特徴と図鑑の写真を見比べる場面。

調べたいのは成虫か、幼虫や抜け殻か

チョウ、甲虫、トンボ、バッタの写真と複数の図鑑
イメージ例:掲載する昆虫の範囲が異なる図鑑。

昆虫は成長段階によって姿が大きく変わります。成虫を調べるための本だけで幼虫の名前も決めようとすると、似た姿の候補を見落としかねません。

表紙に「昆虫」とあっても、幼虫、さなぎ、卵、抜け殻、巣や食痕をどこまで載せているかは本によって違います。自分がよく見つけるものを思い浮かべて、中のページを開いてみてください。

探したいもの本を開いて見るところ
羽のある成虫目や科ごとの写真、体の形、似た種類との違い
幼虫やさなぎ成長段階ごとの写真、食べる植物、見られる季節
抜け殻や卵大きさ、形、付いていた場所から探すページ
名前の分からない虫色、大きさ、季節、環境から引ける索引
クモやムカデに見えるもの昆虫以外の節足動物も扱うか

チョウやトンボ、甲虫など、よく見る仲間が決まってきたら、その分野に絞った図鑑を足すと細かな違いを比べやすくなります。幼虫を詳しく調べたい場合も、幼虫を扱う図鑑が必要です。

写真の見やすさと、名前を知らなくても探せるかを比べる

昆虫の写真と体の形を見比べられる図鑑の誌面例
イメージ例:写真と形の手がかりを並べた誌面。

生きた昆虫の写真には、野外で見える姿勢や色を想像しやすいよさがあります。ただし、光の当たり方や見る角度、雌雄、成長段階によって見え方は変わるため、一枚の写真が似ているだけでは名前を決められません。

昆虫の脚は六本ですが、体の形はさまざまです。触角、脚、翅、胸や腹の形を、二つ以上の候補で見比べられる本かを見ておきましょう。

分類順に並んだページから探しにくいときは、索引も頼りになります。大きさ、色、季節、いた環境から探せるかを確かめると、自分の観察メモでその本を使えそうか考えられます。

持ち歩く一冊なら『学研の図鑑LIVEポケット 昆虫 新版』

園路で手に持てる小型の昆虫図鑑
使用例:園路で開きやすい小型の昆虫図鑑。

『学研の図鑑LIVEポケット 昆虫 新版』は、生きた状態で撮影した昆虫を1,100種以上収録しています。B6変型、256ページの携帯図鑑で、2026年6月発売、ISBNは9784052062919です。

写真に加え、似た昆虫の見分け方や危険な昆虫の特集があるため、見つけた虫を候補と照らし合わせながら調べたい人に向いています。裏表紙には大きさ調べ用の方眼もあり、ノートに残した概算の大きさを比べるときに使えます。

一方、総合的な携帯図鑑なので、特定の仲間や幼虫だけを細かく調べたい用途を、この一冊ですべてまかなうことはできません。その場合は、分野を絞った図鑑も必要になります。

採集や飼育の説明も含まれていますが、触れずに観察したい人は、写真、見分け方、大きさ、危険な昆虫のページを中心に使えます。本に載っている方法をすべて試す必要はありません。

現地では五つの手がかりを残し、図鑑と照らし合わせる

昆虫の大きさ、色、形、いた場所、動きを記録する人
観察例:大きさ、色、形、いた場所、動きの記録。

図鑑を開く前に、まず見えたことを短く書いておきましょう。あとで候補を比べる手がかりになるのは、次の五つです。

  1. おおよその大きさ
  2. 体全体の形と色
  3. 触角、脚、翅に見えた特徴
  4. 木の幹、葉の上、水辺など、いた環境
  5. 飛ぶ、歩く、止まる、鳴くといった動き

写真を撮れるなら、周囲の環境が分かる一枚と、無理のない距離から見える姿を残してください。見えなかった部分は空欄のままでかまいません。図鑑を読んだあとで、見たつもりになって記憶を足さないことが大切です。

写真、見分け方、方眼を使う順序

『学研の図鑑LIVEポケット 昆虫 新版』で調べるときは、体の形と翅の有無から、まず広い仲間の候補を探します。次に、生きた姿の写真を見ながら、実際に見えた色、模様、姿勢と比べてみましょう。

似た昆虫の特集に候補があれば、見分けるポイントを観察メモと照らし合わせます。ノートに書いた概算の大きさは、裏表紙の方眼と比べられます。大きさを確かめるために、生きた昆虫を図鑑へ載せたり、捕まえたりする必要はありません。

脚、触角、翅などが見えずに違いを確かめられないときは、候補を複数残してください。「甲虫の仲間」「チョウの幼虫らしい」のように、分かる範囲で記録を止めても役立ちます。

ルーペは抜け殻や食痕に、ノートは見えた特徴に使う

葉にいる昆虫のそばに置いたルーペと観察ノート
使用例:細部を見るルーペと特徴を残すノート。

細部を見たいときの道具として、Vixen メタルホルダー DL20があります。落ちている抜け殻や、昆虫が残した食痕を、安全な場所で見るときに使えます。

ルーペを見るために、生きている昆虫へ顔や手を近づける必要はありません。危険な生きものか分からない場合や足場が悪い場合は近づかず、双眼鏡やカメラのズームを使って距離を保ってください。

見えた特徴を書き分けるノートの候補は、コクヨ 測量野帳 SKETCH BOOK セ-Y3です。時刻、大きさ、体の形、いた環境を一行ずつ残す使い方ができます。場所を記録しても、希少な生きものの詳しい位置は公開しないでください。

道具を選ぶ前に使い方を知りたい場合は、自然観察用ルーペの選び方で倍率と見える範囲を、紙の観察ノートとスマートフォンの使い分けで現地に残す記録を確かめられます。

見分けるためでも、道を外れたり生きものを動かしたりしない

葉の昆虫をそのままにして園路を離れる観察者
安全例:生きものをそのままにして距離を取る判断。

もっとよく見ようと草むらへ入り、道を外れると、足元の植物を傷めたり、ハチやダニなどに不用意に近づいたりすることになります。観察は決められた園路から見える範囲で行いましょう。幼い子どもと一緒なら、大人が先に足元と周囲を見てください。

巣、卵、さなぎを見つけても動かさず、見やすくするために枝や葉を折ることも避けます。公園、自然観察施設、国立公園では、現地の利用ルールを優先してください。近づかないと分からない特徴は、その日は分からないままにしておきましょう。

購入前に、調べたいものが載っているかを確かめる

売り場で昆虫図鑑の大きさや写真を見比べる人
イメージ例:大きさ、写真、索引を確かめる購入前比較。

候補が決まったら、中のページや索引を見て、自分が調べたい虫を探してみてください。成虫以外の成長段階も載っているか、名前を知らなくても大きさ、色、季節、環境から探せるか、似た種類を並べて比べられるかが大事な点です。写真と図の役割も見比べてみましょう。

持ち歩くつもりなら、判型、ページ数、重さも購入前に確かめたいところです。発売日、版、ISBNを照合して選び、価格、在庫、送料、キャンペーンは販売ページの最新の内容を確認してください。

幅広い昆虫を生きた姿の写真で調べたいのか、特定の仲間を細かく見分けたいのか。その違いをはっきりさせておくと、携帯図鑑を選ぶか、分野を絞った一冊を探すかを決めやすくなります。